仙台高等裁判所 昭和28年(う)68号 判決
新聞紙の記事は市場価格表の如き刑事訴訟法第三百二十三条第三号によりその証拠能力の認められるもののほかは原則としてその証拠能力がないものと解すべきところ、本件の所論河北新聞紙の記事は右の証拠能力のないものに当ることは明かであり、なお右新聞紙の証拠調の請求は記録を精査するに刑事訴訟法第三百二十八条に基き原審証人小出清蔵の供述の証明力を争うためのものとしてなされたと認めるをえない。仮に右は証拠の証明力を争うための証拠としてその取調請求がなされたものとしても証拠調の限度は事実審裁判所の専権に属するところである。従つて原審が右新聞紙の証拠調をしなかつたことを目して審理不尽の違法があるということは出来ない。所論は原審の採証法則の違反を主張するけれども、畢竟事実審裁判所の専権に属する証拠調の限度を云為非難するに過ぎない。
(後略)